2008 年に発表された OPC Unified Architecture(UA)は、各OPC Classic 仕様の機能性全てを、拡張可能なフレームワークに統合した、プラットフォーム非依存のサービス指向アーキテクチャです。
マルチレイヤー アプローチにより、最初の設計仕様における以下の目標を達成します。
- 機能の同等性:COM OPC Classic の仕様は全て、UA にマッピングされる。
- プラットフォーム非依存:組込みのマイクロコントローラからクラウド基盤のインフラまで。
- 安全:暗号化、認証、監査。
- 拡張性:既存のアプリケーションに影響せず、新しい機能を追加可能。
- 包括的な情報モデリング:複雑な情報の定義が可能。
機能の同等性
成功を収めた OPC Classic を基礎として、OPC UA は OPC Classic 仕様の機能を高め、上回るよう設計されました。OPC UA は機能としては OPC Classic と同等ですが、はるかに優れた性能を誇ります。
- ディスカバリー:ローカルの PC またはネットワーク上の 利用可能なOPCサーバーを検出。
- アドレス空間:データは全て階層的に表現されます(例:ファイル、フォルダー)。それにより複雑な構造でも OPC クライアントは簡単に参照し利用可能になります
- オンデマンド:アクセス許可に基づいたデータ/情報の読取と書込。
- サブスクリプション:データ/情報の監視、またクライアントの基準に基づき値が変化した場合の例外レポート。
- イベント:クライアントの基準に基づき重要な情報を通知。
- メソッド:サーバーで定義されたメソッドに基づき、クライアントはプログラム等を実行可能。
OPC UA 製品と OPC Classic 製品の統合は、ダウンロードの項目からダウンロード可能なCOM/プロキシ・ラッパーにより簡単に実現します。
プラットフォーム非依存
利用可能なハードウェア・プラットフォーム、オペレーティング・ システムが広範に渡る今では、プラットフォーム非依存は不可欠です。OPC UA は以下のどれでも、またその他でも機能します。
- ハードウェア・プラットフォーム:従来型 PC ハードウェア、クラウド基盤のサーバー、PLC、マイクロコントローラ(ARM等)。
- オペレーティング・システム:Microsoft® Windows®、Apple OSX、Android、またはLinux のあらゆるディストリビューション 等
OPC UA は、企業システム全体、設備機器間、設備機器と企業システム間、あらゆる相互運用性に必要な基盤を提供します。
セキュリティー
技術を選択する際に考慮する最も重要な点はセキュリティーです。OPC UA は一連のコントロールを提供することでセキュリティー懸念に対処しながら、ファイアウォールを超えたアクセスが可能です:
- トランスポート:数多くのプロトコロルが定義され、例えば超高速の OPC バイナリ・ トランスポートまたは普遍的で互換性のある SOAP-HTTPS というオプションが利用可能。
- セッション暗号化:メッセージは 128 または 256 ビットの暗号化レベルで安全に送信。
- メッセージ署名:メッセージを送信された通りに受信。
- シーケンス・パケット:順序づけによりメッセージ・リプレ-アタックへの無防備を取り除く。
- 認証:各 UA クライアントとサーバーは OpenSSL 証明書を通じて確認される。そしてどのアプリケーションまたはシステムに対し、相互接続を許可するかコントロールが与えられる
- ユーザーコントロール:ユーザー認証(ログイン資格情報、証明書等)を行うよう、アプリケーションを設定可能。またアクセス権やアドレス空間の「View」を使って、アプリケーション性能をさらに制限したり拡張したりすることも可能。
- 監査:ユーザーまたはシステムのアクティビティは、アクセス監査証跡として提供するようにログに記録される。
拡張性
OPC UA のマルチレイヤーアーキテクチャは、「将来性も確保した」フレームワークを提供します。新たなトランスポート・プロトコロル、セキュリティー・アルゴリズム、暗号化標準、アプリケーション・サービスといった、革新的な技術と方法は、既存製品に対する下位互換性を維持しながら、OPC UA に組み込めます。今日開発している UA 製品は、将来の製品とも互換性が確保されます。
情報モデリング
OPC UA 情報モデリング・フレームワークは、データを情報に変えます。包括的なオブジェクト指向の機能を用いて、複雑な多層構造でさえもモデル化し拡張することができます。データ型と構造はプロファイルで定義されます。例えば既存の OPC Classic 仕様は、他団体でも拡張できるような UA プロファイルにモデル化されました。
他の標準化団体が OPC Foundation とのコラボレーションにより、どのように OPC UA を活用しているかご覧下さい。